受診タイミングについて

急に起こってきた外陰部の痛み、特に排尿時の外陰部の激痛には、外院ヘルペスの可能性があります。早期の診断と治療で、症状は軽快します。

外陰部などの痒みやおりもののにおいの変化が気になる場合には、培養検査や膣錠等による治療が必要になる場合があります。カンジダという真菌感染症により、痒みや性交痛が生じることがあります。

急に起こった性器出血の場合には、子宮筋腫の増大や筋腫分娩、性感染症、子宮頸がんもしくはその前がん病変などの可能性があり、早めの受診と検査をお勧めいたします。
緊急避妊を希望される場合には、性交渉から72時間以内の受診が必要となり、緊急避妊用のピルを処方いたします。

1週間から数ヶ月前からの体調の変化

月経不順があり、月経が遅れている場合には、妊娠の可能性があり、市販の妊娠反応で妊娠の可能性がなければ、超音波検査で確認後、黄体ホルモンによる月経の誘導を行います。妊娠の継続を望まれる方には、1〜2週間毎の定期的な検診を行ってまいります。

数週間をかけて、外陰部等に痒みが生じる場合には、培養検査と治療が必要となります。また、不正出血のある場合には、子宮頸部細胞診検査、培養検査、性感染症検査や超音波検査をお勧めいたします。

月経量の増加を認める場合には、子宮筋腫の発生や増大の可能性があるために、超音波検査や骨盤MRI検査をお勧めいたします。
月経痛が月を追う毎に悪化して来る場合には、子宮内膜症の可能性があり、排便痛や性交痛を伴うことがあります。子宮内膜症は、卵巣に発生する卵巣チョコレート嚢胞と子宮筋層に内膜組織が拡がる子宮腺筋症があります。どちらの疾患も、低容量ピルや黄体ホルモンによる治療が可能です。

下腹痛がある場合には、卵巣嚢胞、子宮内膜症、性感染症の可能性があります。
定期的に月経周期の中間のタイミング、もしくは月経周期が長めの方で、月経の2週間ほど前に、不正出血が数日ある場合には、排卵期出血の可能性があります。排卵期出血は、生理現象ですので、心配はいりませんが、確認のため、相談されることをお勧めいたします。急速に、腹部膨満感が増強する場合には、卵巣がんの可能性があり、早急な受診が必要です。

数ヶ月から数年前からの体調の変化

月経量の増加や月経痛の悪化がある場合には、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があり、超音波検査や低容量ピルや黄体ホルモンによる治療が必要となることがあります。持続する不正出血がある場合には、性感染症検査、細胞診検査（必要があれば、コルポスコープ検査）、超音波検査などが必要となります。

女性は、月経周期に伴い、体調あるいは精神症状が変化します。一般的には、月経周期の後半で黄体ホルモンが分泌される時期に、体調の変化やメンタル症状の変化をきたすことがあり、深刻な症状がある場合には、治療の対象となることがあるので、ご相談ください。

閉経の前後で、顔のほてり、多汗症等の症状がある場合には、更年期障害の可能性があります。ホルモン補充療法の適応となる可能性があるので、ご相談ください。

閉経前後あるいは閉経後に、不正出血がある場合には、超音波検査で子宮内膜の肥厚の有無の確認と子宮内膜細胞診の検査を勧めます。

検診で異常を指摘された場合

定期検診を受けられている方で、婦人科での精査を勧められることがあります。
子宮頸部ポリープがある場合には、当日の受診で、治療と病理診断を受けることができます。子宮内膜ポリープがある場合には、子宮鏡検査で、ポリープのサイズと個数の確認が必要となります。

子宮頸部の細胞診異常（例えば、ASC-US, LSIL, ASC-H, HSIL等）を指摘された場合には、ハイリスクヒトパピローマウイルス（HPV）感染の有無が必要となる場合とコルポスコープによる精密検査が必要となることがあります。

子宮内膜の肥厚を指摘された場合には、年齢により、子宮内膜細胞診での精査が必要となることがあります。ただし、子宮内膜細胞診検査は、未産婦の方や子宮筋腫を指摘された場合には、子宮筋腫の子宮内膜との位置関係を超音波検査もしくは骨盤MRI検査で、詳しく調べます。

卵巣嚢胞を指摘された場合には、超音波検査で、卵巣嚢胞の種類の同定が必要で、超音波検査で同定が困難な場合には、骨盤MRI検査が必要となることがあります。当院の超音波検査機器は、血流の有無を測定するカラードップラーモードを備えており、悪性腫瘍の可能性の鑑別に一定の効果をもちます。卵巣嚢胞で、直ぐに外科的な治療が必要ではない場合には、3ヶ月毎の定期検診を行っていきます。

卵巣子宮内膜症性嚢胞や子宮腺筋症を指摘された場合には、超音波検査の所見により、治療法の選択肢を提示いたします。