2025年6月24日
婦人科検診とは、子宮頚部の細胞診検査と子宮筋腫や卵巣の腫れがないかを調べる内診もしくは超音波検査を指します。子宮頚部の細胞診検査は、子宮頚部の細胞をブラシで採取し、その細胞をスライドガラスに乗せて、特殊の染色を行い、専門の検査技師と病理医が診断します。通常、検査から1−2週間で、結果が分かります。細胞の中心には、遺伝子を含んだ核があり、この核が大きくなったものが異型細胞と呼ばれ、この細胞が認められる場合には、コルポスコープという子宮頚部を拡大して観察する検査が必要になります。この検査で、疑わしい部位を認めるときは、医療用の鉗子で一部分をつまみ取って、顕微鏡下で診断を行います。このような細胞の変化は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染でおこり、感染したHPVの型によって、進行のリスクも変わりますので、保険でこのウイルスの型判定を行うことが出来ます。
ご年齢が40代後半以降の方には、子宮内膜細胞診検査を同時に受けられる事をお勧めします。
超音波検査では、子宮に子宮筋腫や子宮内膜が筋肉の中で増える子宮腺筋症がないか、また卵巣に腫れがないかを検査します。この検査により、卵巣癌がないかを調べることが出来ます。卵巣癌の中に、遺伝性乳癌卵巣癌症候群と言い、親から引き継いだBRCA1/2遺伝子異常を持つ方がいます。家族の中に、乳癌や卵巣癌の方がいらっしゃれば、一度超音波検査で卵巣の異常がないかを調べる事をお勧めいたします。
来月7月より、港区の公費で子宮頸がん検診が始まります。公費子宮頸がん検診で受診された方のうち、80名までは区の補助により、超音波検査が無料で受けて頂けます。この機会に、検診を受けられてみませんか?